CASE STUDY事例レポート

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昔ながらの製法再生を目指して ~絶滅危惧種と呼ばれる仕事から~

株式会社 岸本吉二商店

【企業説明】
菰樽をつくる尼崎の老舗会社。菰樽をつくる会社は日本に3社、
つまり世界に3社しかありません。
中でも大手の岸本吉二商店は、鏡開きに使われる菰樽のほかにも、
日本の伝統文化である菰樽を残すため、オリジナルデザインの菰樽をはじめ
ディスプレイ専用のものなど、様々な新商品を展開している。

 

【担当者】 
主担当 生産管理 常澤 純一様

 

【インターン学生】
・商学部2年生(自分の想いを言語化できるようになりたい!)
・経済学部1年生(ちやほやされる姉に負けたくない!大勢の人の前で即座に自分の意見を言えるようになりたい!)

受入れの理由

 

やろうとしていてなかなか手をつけられていなかったお題があり、そのままにしていてもやらないだろうと思うものがあった。それは、“古い菰樽を再生する”こと

 

 

 

 

 

 

ミッション

 

昔ながらの菰樽を再生する。

 

 

 

 

 

 

 

達成した成果

 

アンケート用紙を作成し酒造メーカー70社に送付(うち40社返送あり)

 

 

学生が日本酒メーカーへ赴き、昔ながらの菰樽再生にむけた活動についてのプレゼンを行い、意見交換を行った。

そこで、ワラで作られた昔ながらの菰樽は本当に必要なのか、を知ることができた。

 

 

昔使われていた銘柄印刷技術の試作

 

 

 

 

実際に行われたインターンの概略

1週目
作業場、荷造り(樽に菰を巻き付け縄で固定する作業)体験、

菰樽について学ぶ、会社について学ぶ(理念や将来なりたい姿)

 

2,3週目
日本酒について知る(日本酒資料館、酒造メーカー訪問)、中間研修準備

 

4週目
アンケート作成(再現した菰樽についてのアンケート)作成、発送、試作品作り

 

5週目
試作品作り、返ってきたアンケートのまとめ

 

 

 

 

社内への影響

 

 

 

 

若者が会社に入ることで、社内に活気があふれた!

 

 

また、企業側にも「学生を受け入れて面倒を見なければならない」という使命感もあり、社員への意識改革にもなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

岸本社長の想い

 

 

時代は過去のものを捨てて成長してきた。菰縄づくりの循環システムもそうである。農家が藁を作り、菰縄を作り、稼ぎの足しにする。その循環も高度経済成長期をきっかけに農家が減り、藁の生産も減少した。今では、本当に藁の存命も危うく、菰縄を織る職人も数少なくなっている。絶滅危惧種である菰樽。菰縄の材料である藁作る農家が減り、創業100年続く菰縄づくりも継続が難しくなった。しかし、辞めずに続ける理由がある。

それは、伝統を守り続けたいという思いと、残してほしいという少なくないお客様の声があるからだ。

 

 

 

 

 

 

様々な形で菰樽を販売している岸本吉二商店。その裏に隠された想いは、今後も会社を長く続け、日本文化である菰樽を残すこと。さらなる成長や、新しいことを求めず、とにかく、菰樽を残すために、一人でも多くの人に菰樽の存在を知ってもらう。そのために、現代の人たちに、受け入れてもらえるような形で菰樽を展開している。

 

 

【インターンシップって、、、?からのスタート】
 そもそも、あまりインターンシップという制度を知らなかった岸本社長。しかし、お子さんがインターンシップをするというのと、弊社の代表からの誘いが重なり、やってみることに。最初は就職的なイメージのインターンシップであったが、インターン生を受け入れる魅力の一つである「忙しくて手を付けられなかったことに挑戦できる」という点から、実際にインターンシップ生を受け入れられました。
もちろん企業様にかかってしまう、インターンシップ生を受け入れることによる負担(面倒をみる時間、人件費など)については、弊社の代表やコーディネーターからの説明があったのですが、いざ学生がいきなり会社に入ってきて、彼女たちがタスクをこなしていく中で、本当にこの6週間が彼女たちにとって有意義な時間となるのかという不安はあったそう。

 

 

 

 

 

学生の声

【パッと見て、、、、】 

関西学院大学 商学部 2年生 山中 里彩さん

 

 このインターンシップを知ったのは、履修のパンフレットや時間割を見て単位が結構もらえるのをみつけたのがきっかけ!(確かに、6単位もらえます)
そこが入り口となって、ネットを使って調べていくうちに、このインターンシップは、自分が知っていたインターンシップとは違って、企業の中にしっかりと入り、学生である自分たちにプロジェクトを任せてもらえることを知った山中さん。自分が主体的に動き学ぶ機会は学校の授業になく、もとからそうしたことをやってみたいと思っていたそう。また、やるなら長期でがっつり!と考えていたが、まだ2年生ということで、まずはこの6週間のインターンシップを選ばれました。
 インターンシップを始める前から抱いていた自身の弱みは、「自分の想いを言語化すること」であり、プレゼンをするにも就職活動をするにも、克服しておきたい弱みでした。インターン期間中には、尼崎の企業でインターンをしているほかの関学生との研修があり、そうした場で、自社についての発表を行ったり、他社の経営者の方やインターン生へのいきなりの質問に答えたりする機会があり、弱みを克服する良い機会となったとのこと。また、会社の周りを歩くほかの社員さんと会話する機会もあり、そこで自分たちの活動に話すことで、自分たちの活動の整理もできたそう。
 この会社に来ることになったきっかけは、昨年の秋に学内で行われた説明会。「パッとみて惹かれたのがここだった。」もう1社とで迷いましたが、山中さんのペースとマッチするだろう、というコーディネーターからのアドバイスでこの会社に決定しました。常に社員のことを気にかけ、近い距離で社員と接する岸本社長のもと、かつて誰も触れることのなかった、“昔ながらの菰樽の再生”というプロジェクトでインターンがスタートしました。見たことはあっても、名前も知らなかった菰樽を一から学び、このプロジェクトを遂行するのは、かなり大変そう。現役の職人さんの手を借りながら、試行錯誤を繰り返しました。彼女たちの個性をつぶさず、見守ってくれる社員の方たちに囲まれ、
課されたミッションを何とか達成しようと頑張っていました。

 

 

 

 

 

【日本文化が好き。】

関西学院大学 経済学部1年生 岡野 彩花さん

 

 インターンを始めるきっかけは、家族からちやほやされる姉に負けたくないから!
Uターン就職を考えている岡野さんは、地元である岡山県笠岡市のインターンもあったのですが、バイトと両立できるので、尼崎のインターンを選びました。
 この会社を選んだきっかけは、「日本文化が好き!」だから。「自分の力でどのようにして日本文化を残すか。」というのに興味を持ったのだとか。実際、面接のときに、平等院鳳凰堂について語るほど日本文化が好きなそうです。岡野さんからみた岸本社長は、「日本伝統文化であるモノづくりを大切にしている方。菰樽だけを広める(残す)のではなく、日本伝統の範囲を広めるということで今では途絶えつつある日本文化を大切にしていらっしゃる素晴らしい方です。売れようが売れまいが昔ながらの日本文化を残すということに努めています。また、お話ししてみると学ぶことも多くあり、面白い方です。」同じように日本文化が好きな方の下での6週間では、人一倍学ぶことも多かったと思います。
 自身の弱みは、“大勢の人の前で即座に自分の意見を発表できない”こと。この弱みを1年生の間に克服できることを期待して、インターンの目標も、“大勢の人の前で、アドリブで話せるようになること”にしました。実際このインターン期間中では、少数ではありますが、その日にあったことを大人の方の前で話す機会があり、苦手克服の良い機会になったそうです。また、岸本吉二商店様の看板を背負い、酒造メーカーの方に自分たちのプロジェクトについてプレゼンをし、うまく話をのせていくというのが、かなり大変だったそう!会話はアドリブなので、「考えれば考えるほど頭がこんがらがっていた」と。ですが、そうして、他社の社長の話をさせていただく機会は、岡野さんにとってすごく大きな経験になったそうです。
インターン期間中、インフルエンザにかかってしまった岡野さん。空いた穴を埋めようと必死に、銘柄印刷の実験を行っていました。彼女の明るさは、初対面の私でも気づくほど! すごくフレンドリーで、社内を明るくしているのはまさしく!でした。

 

 

 

【後輩インターン生へ】

 今実験している、“昔ながらの菰樽”を形にしてほしい。大量生産できるものにはならないかもしれないけれど、形にして、世の中に知ってもらえるような活動をしてほしい。
今回のプロジェクトゴールは、“昔ながらの製法を取り戻すこと”。次のインターン生には、酒造メーカーへの売り込みなどもしてほしい。夢は、時代劇で、昔ながらの菰樽が使われること!                                   

 先輩インターン生より
 
                                                                       

 

 

 

 

 

 

 

さいごに

 

 
 岸本吉二商店様は、実は私もインターン先を選ぶ際、アンテナが7割くらいピンッと動いた企業様です。私も岡野さんと同様、「日本文化を自分の力でどう残すことができるのか」というところに惹かれました。実際、取材へ行くと、彼女たちが持つ、昔ながらの菰樽を再生するために必要な手がかりは、たった一冊の本と、作っているところを見たことがある2人だけだったと聞いて、かなり衝撃を受けました。そこで、そのような壁を乗り越えようと奮闘するインターン生2人の姿に、この2人に続くインターン生に来てもらえる記事を書かせていただこうと思い、先輩インターン生からのメッセージもつけさせていただきました。
 日本伝統文化を残すためには本来の使い方とは違っても、まずは知ってもらうことが大切であることが、取材をさせていただき、私自身学ぶことができました。伝統のものをそのようにアレンジすることに抵抗はないのかなと疑問を抱いていたのですが、岸本社長の、菰樽を残さなければならないという使命感に、そのような疑問も吹っ飛んでしまいました。
 菰樽にかける想いは、日本一なのでは?と想われる岸本吉二商店様。
今後の活動が楽しみです!取材のご協力ありがとうございました。

 

あま・ひと・みがき・プラットフォーム 

インターンシップ生 
関西学院大学 総合政策学部 1年生
市原 佑香

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